約束のエンゲージリング
ぼーっと彼を見つめると、目が合った彼が咄嗟に視線を逸らして咳払いをした。
『っ、、そうストレートに褒められると照れるもんだね。じゃあこれを買おうかな。お会計が終わったら次は千佳のモノを見に行こう。』
そう言った彼は直ぐにカーテンを閉めて試着室へと戻って行ってしまった。
心なしか逸らされた顔は紅かった。
もしかして本気で照れた、、?
そんな事を考えていると彼が試着室から出てきたが、普段通りの表情をしていてやはり先程のは気のせいだったようだ。
彼が私なんかに照れる訳がない。
素早く会計をし、商品の入った紙袋を受け取るとまた手を繋がれた。
「ありがとうございます。またのご来店、お待ちしております。」
背後からショップの店員さんの声が響いたが、繋がれた手を意識してしまう。
恋人同士なら気にもならないのだろうが、私にはハードルが高すぎて振り向くのが恥ずかった為振り返ることなくそのままメンズショップを後にした。
『ごめんね?千佳の買い物に来たのに付き合わせちゃって。でもお陰で良いものが買えたよ、ありがとね。』
「それはいいんだけど、、なんで彼女かって聞かれて否定しなかったの、、、?」