片想い同盟


「ゆ、優希くん」

「久しぶりだね、遠山さん。あのあと足はどう?」

にこりと笑顔の優希くんは、早速私の足を心配してくれる優しい人。


「あっ、うん。おかげさまでもうすっかり。あのときはありがとう」

「そっか、よかった。……で、どうしたの?こんなところで」


改めてお礼を伝えることができたところで、今日の彼の格好が制服でもなくジャージでもないことに気がついた。

わぁ……っ、ユニフォームだ。


初めて見た優希くんのその姿に、ドキッと心臓が音を立てる。


か、かっこいい。


いままで部活のジャージ姿しか見たことがなかったから、そんな不意打ちのユニフォームなんてずるすぎるよ。



「あ、えと、拓海がこれ教室に忘れてったから、届けようかと」


一瞬で私の頭の隅に追いやられた拓海のタオルの存在を思い出しなんとか理由を伝えると、優希くんは「あぁ」と笑った。



「あいつ、慌てすぎだろ。いくら練習試合だからって」

「練習試合……?」


くすくす笑う優希くんの口から出たその言葉に、首をかしげる。



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