片想い同盟
「杏ちゃん、それはナイわ」
「えっ、違うの!?」
「いや、逆になんでこうなんの?」
必死な思いで数式と戦う私に、目の前に座る拓海は呆れ顔。
……悔しいことに、拓海はとっても頭がいい。
顔がいい上に運動もできて頭もいいだなんて、実はこいつはハイスペックなのかもしれない。
それもモテる要因のひとつなのかなぁ、と最近になって気づいたのは内緒。
「なんで拓海は勉強できるの?」
「なんで急に関係ない話するんだよ」
「だって〜」
ムッとふてくされたところで、誰が見ても正しいのは拓海。
私はただただ、勉強が飽きた。