片想い同盟


けれど。


「えー、でもさぁ。唐沢くんを独り占めってずるくない?」


この場でただ1人、違うクラスの女の子は心底面白くなさそうに私にそう言った。


その態度だけで、私の存在をよく思っていないのは丸わかり。


「ちょ、ミヤ!」

「ごめんね杏樹ちゃん、唐沢くん。気にしないで!」


2人が慌ててその子の口をふさいだけれど、やっぱり彼女の目は私を捉えている。


気に入らないと言われているも同然だった。



人気者の拓海のそばにいつも私みたいな女がいたら、そりゃ目障りだろう。


でも、だからといってよく知りもしない彼女にそんなことを言われる筋合いもない。



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