片想い同盟

「……ニヤニヤすんな」

「あれ、顔に出てた？」

「あぁ、思いっきりな」


横目で見てくる拓海には、私の頬はゆるゆるらしい。


まぁ、自覚がないこともない。だって嬉しいんだもん。



「ねぇ、拓海。こっち見て」

「んだよ」

「ねーねー」


頬をツンツンして、ちょっかいを出す。


耳が赤いのはまだ治ってないけど、私のあまりのしつこさに目を合わせてくれた。


その目を真っ直ぐ見つめて、にこりと笑う。



「私ね、中山くんに友達になってって言われても、頷けなかったの。なんでだと思う？」


クイズ形式にするなんて、我ながらずるいだろうか。

でも、拓海に伝えたくてもなんだか恥ずかしくて、素直に言えないんだから仕方ない。