片想い同盟
ちょっかいをかけといて質問してくるものだから、拓海はしかめっ面でおかしな顔だ。
思わずふふっと笑ってしまう。
「拓海がいればそれでいい」
「っ!」
「なんて思っちゃったの。だからLIMEも交換しなかった」
素直に私も白状してみたけれど、案外恥ずかしい。私もなかなかにダサいかも。
「なんか、おあいこ、だね」
次は私の耳が赤いかもしれない。なんかちょっと、熱い。
「………」
「……ねぇ、なんか言ってよ」
目が合っていた拓海は、少し目を伏せた。
数十秒の沈黙のあとで「ハハッ」と呆れたような笑い声。