片想い同盟


ちょっかいをかけといて質問してくるものだから、拓海はしかめっ面でおかしな顔だ。


思わずふふっと笑ってしまう。


「拓海がいればそれでいい」

「っ!」

「なんて思っちゃったの。だからLIMEも交換しなかった」


素直に私も白状してみたけれど、案外恥ずかしい。私もなかなかにダサいかも。



「なんか、おあいこ、だね」


次は私の耳が赤いかもしれない。なんかちょっと、熱い。


「………」

「……ねぇ、なんか言ってよ」


目が合っていた拓海は、少し目を伏せた。

数十秒の沈黙のあとで「ハハッ」と呆れたような笑い声。


< 207 / 341 >

この作品をシェア

pagetop