片想い同盟
これはもしかしてもしかしなくても、やってしまったかもしれない。
「最悪……」
違和感のある左足をかばいながらゆっくり立ち上がると、思いのほか痛くて顔を歪めた。
早く着替えないと。これから試合なのに。せっかく、練習したのに。
部活で疲れながらも練習に付き合ってくれた拓海を思い出して、きゅっと唇に力を込める。
なんとか女子更衣室で着替えた私は、そのまま体育館へと向かった。
「おう、杏。遅かったな」
「……そう?わりと普通だと思うけど」
入ってすぐのところでバスケットゴールの準備をしていた拓海が、私を見つけて声をかける。
あんたのファンにやられてた、なんて口が裂けても言えない。