29歳夫の恋,(キケンな夫のロマンス的な嫉妬‼)
「未華子、やっと捕まえた。」
蒼生は未華子をぎゆゆゆゅっと
抱き締めた。
「んご、んご、んごく、苦しい〜」
「男は、本当に欲しいものは
壊しても手に入れたいもの
なんだよ。」
ハハァア、急に力を緩められ一呼吸。
「蒼生の背広の着心地良さが分かる程抱きしめられた。」
「帰って来て‼未華子。」
胸に未華子の頭をスッポリ納め
蒼生は顔を近ずけてムギユ〜ウ。
プファ
「さ、さっき、彼女とも抱き合っ
てたじゃ ん。彼女に申し訳なく
思わないの?」
又頭を胸にスッポリ収めて
ムギュュュ、
前屈みになった蒼生の髪が当たるほど
ムギュュュ
プファ
「質問に答えなさいよ。
どうすんの‼あの子、社長令嬢よ‼」
「今更、未華子に何言っても
信用しないだろ!
するか?」
「内容よ‼
どうすんのか‼と聞いてんの‼」
「どうするも何も、こうする‼」
フガフガ言うほど抱きしめられ
長ーーい長ーーいキス
美奈子も久しぶりだったので、
つい、つい受けてしまった。
「クスッ」
何もかも見破ったように鼻で笑う
蒼生を憎たらしく思ったが、
身体が反応したんじゃい。
自分にも腹が立つ‼
これじゃぁ、彼をまだ好きだと
言わんばかりで、何もかも御見通
しな気がする、
「スマホ返して、もう帰る。」
白ゴムを外して渡された時、又
手をにぎられる。
蒼生を見上げると
「彼女には言い聞かせた。
大事な恋人がいるって
泣かれたけど、君には魅力を感
じ無いってね。」
未華子は、ハッとして、顔に喜び
が走るのに気付いた。
「蒼生、」
今度は未華子からだきついた。
が!?
パッと離れる。
「もう1人いるっけか?」
「なんだ、未だ何かあんのか?」
「部屋に女連れ込んで、何言ってんの
アッチはどうすんの?
誰なの?」
「部屋に、女?は?」
「しらばっくれちゃって‼
いい加減にシロ。」
部屋に女?誰だ?
未華子の手を握りエレベーターにのる。
「手を、離して‼」
「ダメ、又誤解されたままシカト、されるの は、勘弁してくれ。」
なるほど未華子の言う通り、
マンションの灯りがみえる。
鍵を使いソロ〜りと開ける。
未華子も、胸が ドッキーンッ!
キッチンへ行くとカレーの匂いが
する。
「あ‼、」
ここら辺で蒼生は誰か分かった
ようだ。
「栞菜」
「アッ‼お兄ちゃん。」
未華子は目を丸くして、え‼
「いも?いも?まさかの妹?」
「まさかの妹でぇーす。
血は繋がって無いケドネ‼」
蒼生は重たい口を開いた。
「じっは...、栞菜は母親の連れ子
なんだ。
実の母親は別にいる。
離婚は、母親の不貞だよ。
だから僕は浮気なんてしない。」
「え‼..あ‼ そうなの?」
「今の両親が僕の両親だよ。栞菜はイギリスの大学に留学している。
連絡もなしに何でいる?」
栞菜は18歳、人懐こい笑顔は、
憎めない感じ、にっこりされたら、
失敗もいいよ、いいよ、と
許されるタイプ
得なタイプ