あいいろ
洗濯物が終わって、
晩ご飯の支度を始める。
お米を炊いて、野菜を炒める。
盛り付けをしながら、思う。
きっとタツヤは、今日も食べてくれない。
高校の頃なら、無理をしてでも
食べてくれたのにね。
根元から、変わって
しまったのだろうか。
あたし達に、会話はほとんどない。
ないというか、無くなった。
ね、タツヤ。
あたしこんなに料理上手になったよ。
あの頃の下手くそなお弁当より
ずっとずっと美味しいよ。
盛り付けをしたご飯とおかず、お味噌汁にラップをして机に置く。
いつものように、手紙も挟む。
「タツヤへ。
今日は、焼肉のタレで野菜炒め作ったよ!
美味しく出来たから、食べて下さい。
ちゃんとレンジで温めるんだよ。
仕事、行って来ます。 マミコ」
そして、すぐに着替えて車に乗り、仕事へ行った。