あいいろ

洗濯物が終わって、
晩ご飯の支度を始める。
お米を炊いて、野菜を炒める。
盛り付けをしながら、思う。

きっとタツヤは、今日も食べてくれない。

高校の頃なら、無理をしてでも
食べてくれたのにね。
根元から、変わって
しまったのだろうか。


あたし達に、会話はほとんどない。
ないというか、無くなった。


ね、タツヤ。
あたしこんなに料理上手になったよ。

あの頃の下手くそなお弁当より
ずっとずっと美味しいよ。



盛り付けをしたご飯とおかず、お味噌汁にラップをして机に置く。

いつものように、手紙も挟む。

「タツヤへ。
今日は、焼肉のタレで野菜炒め作ったよ!
美味しく出来たから、食べて下さい。
ちゃんとレンジで温めるんだよ。
仕事、行って来ます。 マミコ」



そして、すぐに着替えて車に乗り、仕事へ行った。
< 5 / 22 >

この作品をシェア

pagetop