お試しから始まる恋
「はい、お待たせ」

 おやつのプリンを持ってきた楓子。

 5年たって、すっかりお母さんの顔になった楓子。

 短かった髪は肩まで伸びて後ろでバレッタでまとめている。



「柊、おやつよ」

 呼ばれると元気よくテーブルに来る柊。




 ガチャッ。

 玄関が開く音がした。


「あ、パパだ! 」

 柊が元気よく言った。


「ただいま」


 帰ってきたのは颯。

 5年たって優しい父親の顔になり、すっかり俺様の雰囲気はなくなっている。

 父の俊司のように穏やかな表情になってきた。

 かっちりした黒いスーツに赤系のネクタイ。

 そして左胸には弁護士バッジがついてる。


 あれから颯は司法試験に挑戦して、2年目で見事合格した。

 そこからかれこれ2年して念願の弁護士になれた颯。

 今ではすっかり板について、一人前まではいかないが大きな案件も引き受けるほどになった。


 将来は父の事務所を継ぐ予定だが、まだ父親に甘えてはいけないと言って、他の事務所で修業をしている。



「おかえりなさい」

 楓子が優し笑顔で迎えてくれる。

「ただいま」

 嬉しそうに微笑む颯。


「パパ、あとで一緒にサッカーしよう」

 柊が颯に言った。

「おう、今日はどっちが勝つかな? 」

「僕だよ! 僕は負けたことないから」

 
 柊はちょっと負けず嫌いのようである。

 茜はゆっくりと、プリンを食べながら2人の会話を聞いている。




 家族が増え、とっても微笑ましく暖かい家庭になっている颯と楓子。

 楓子の敬語は時々でてしまうが、今では敬語は使わなくなっている。


 しかし颯と楓子のラブラブは5年前とは変わらず、寝る前のキスや、おはようのキスをしていつも愛し合っている。

 
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