俺だけのもの~一途な御曹司のほとばしる独占愛
「なんで税理士事務所の事務員って、弁護士事務所のパラリーガルみたいなかっこいい名前がないんだろうね」
お昼の休憩時間になると愛海と一緒に近くのカフェにランチにでた。
このあたりはオフィスビルが立ち並んでいるのでランチをする場所が多くあり、その中でもよくランチしているここは事務所のビルの向かいにあるオープンカフェ。落ち着いた雰囲気と接客もピカイチなのにリーズナブルで、しかも料理が出てくるスピードが早いのでとても重宝している。
そう思っているのは私たちだけではないらしく、もうすでに入り口には列ができていて、料理が届いている私たちを「早く食べろ」と言わんばかりの視線が時折向けられていた。
「どうしたの、急に。誰かになにか言われたの?」
オシャレなカフェには似つかわしくない愛海のため息に、苦笑しながらクリームパスタを頬張った。
「そういうんじゃないけど。飲み会で職業言うとき、あんまりかっこよくないと思わない? 税理士の資格が取れればいいんだろうけど、難しいし」
「まぁ……たまに税理士って勘違いされるから、それは困るかな。補助って言ってもうまく伝わらないし。会社の経理って言うのが一番いいのかも」
「それじゃ、アピールに欠けるんだよねぇ。ちょっと注目されたいじゃない?」
愛海は不満そうに口を尖らせ、パスタを口に運ばずに何度も巻き直していた。