俺だけのもの~一途な御曹司のほとばしる独占愛


「そう? 注目よりもいい人に見染められたら充分だよ。それより、ちょっと早く食べないと昼休みが終わるよ」

昼休みが終わるまでには戻り、ちゃんと仕事をはじめられるようにしていないと。それに、待っている人たちの視線もやっぱり気になるし。

とはいえ、外での食事は気分転換にいい。毎日出られるわけではなく、休憩時間にもお客さんがやって来たり、電話が鳴ることもあるので、週一で私か愛海に電話当番が回ってくるので、そのときは事務所で一緒に食べたりしている。

だからこそ、こういう話をするときは外で。事務所では誰に聞かれているかわからないのでできたもんじゃない。

食べることを完全にストップしていた愛海を急かすと、慌ただしくランチを終えた。

「けど、百音が結婚したいって本気で考えてるとは思わなかったな。今回の飲み会、そういう意味での参加だったよね?」

レジを済ませて店の外へ出ると、お昼ご飯を終えたらしい口に爪楊枝を加えたサラリーマンやお財布だけを抱えたOLさんたちがたくさん溢れていた。暖かい午後の日差しに、スーツの上着を脱いだり、カーディガン一枚だったりと軽装だ。

「うん、本気でいい人と出会いたいって思ってるよ。クセのある人と付き合ってばかりだったけど、やっぱり誰かといると楽しいし。このさきひとりでずっと過ごすのは寂しいって感じるから」

世の中も独り身には過ごしやすい環境になってきている気がするし、仕事もやりがいを感じていて、元々数字を合わせたり細かく計算したりするのが好きな性格なのでずっと続けられるとも思っている。

けれど、このままひとりでいるのは心細いし寄り添う相手はほしい。過去の男性たちのような失敗はしたくないので、見る目を養って自分に合ういい人といつかきっと……と、考えているうちに月日だけが過ぎていた。

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