俺だけのもの~一途な御曹司のほとばしる独占愛
「ここが俺の部屋。散らかってるからあんまり見ないでね」
隣と隣の玄関のドアは、私が住んでいるマンションなら間にもうひとつ部屋が入りそうなほど距離があって、通路も広々としている。
ドアを開けてくれると、大人数が押しかけても靴が並べられるほど広い玄関に、大きな姿見がつけられたシューズインクローゼットが設置されている。業者でも頼んでいるのか、床の白いタイルは顔が映り込みそうなほどピカピカだ。
「すごいキレイ……天井も高いんだね」
見上げた天井はマンションにしては高く、ダウンライトのほどよい明かりが廊下を照らしている。足元に視線を落せば、そこにもライトがあったので切り替えができるみたいだ。
「リビングはこっち」
涼真に続いて廊下を歩くと、そこは私の部屋が丸ごと入りそうなほどの広さがあるリビングで、艶があるフローリングに白い絨毯が敷かれ、大きな窓からはイルミネーションでもしているのかと勘違いしそうな夜景が見えていた。
「コーヒー、紅茶……あとはコーラ、牛乳があるけど、なにがいい?」
「じゃ、コーヒーを」
「了解。すぐ淹れるからソファにでも座ってて」
涼馬はカウンターキッチンに入ってケトルの準備をはじめると、電気屋さんでしか見たことがないような大きなテレビの前にあるソファへ座るように私を促す。
「あ、ありがとう」
ふっくらとした革張りのソファは座り心地もよく、こんな高級な空間にいて落ち着かないはずなのに、不思議とリラックスできてしまう。