俺だけのもの~一途な御曹司のほとばしる独占愛
「好きだよ、百音」
甘い声音で囁くと、そっと頭に触れてうなじに手を回し、力強く引き寄せられる。
「ぁっ……ん、んぅ……」
唇を塞がれたかと思ったら舌を絡み取られ、私のすべてを欲しがるように吸い上げられて、求められているという嬉しさに体が震えた。
「私も、好き。涼真とずっと一緒にいたい……」
気持ちを伝えてくれた涼真に応えたくて言葉にすると、キスの深さはますます増していく。このままソファに押し倒されるのかと思いきや、そっと手を取られた。
「そういえば、お仕置きがまだだったよね。……ベッドで、たっぷりしてあげる」
手を引かれ、連れて行かれた寝室はダークブラウンで統一された落ち着きのある内装で、年齢マイナス五歳くらいに見える涼真からは想像できない大人っぽさがあった。
「ベッド、大きくない?」
ひとりで暮しているはずなのにダブルサイズ、もしかしたらそれ以上はある。
「大きいほうが疲れ取れそうでしょ」
大人っぽいんだか、子どもっぽいんだか。だけど外で見る涼真と違ってリラックスした笑顔に見え、新鮮に感じる。
「また、新しい涼真を知ったみたい」
窓からはリビングとは角度が違うけれど、同じく宝石の粒が散りばめられたような夜景が広がっている。
「そ? いいじゃん、これからもっと新しい俺を見せてあげる。飽きることないよ、絶対」
間接照明の明かりだけの部屋で、涼真が優しく私を抱き締めてくれる。
「俺のこと、ずっと見てて。俺も、ずっと百音を見てる。幸せにする」
「うん……お願いします」
涼真の腕の中でうなずくと、顎を掬い上げられ触れるだけのキスをした。それはまるで誓いのキスのようで、体も心も幸せで満たされていくのがわかった。