俺だけのもの~一途な御曹司のほとばしる独占愛


「んっ……眩し……」

目蓋の裏に明るい日差しを感じ、目をこする。ふと隣に体温を感じ、ゆっくりと目を開けると愛しい寝顔があった。

昨夜は宝石の粒が溢れていた窓からは朝陽が降り注いでいて、寝息を立てている涼真の髪を絹糸のように繊細に美しく照らしている。

見惚れてしまうほど綺麗だと思うのに、その寝顔を見ているとドキドキするよりも安心してくるのはなぜだろう。

「よく寝てる」

起こさないようにひとりで笑い、そっと前髪を梳いた。指の間からサラリと零れる一本一本まで、愛おしいと思ってしまう。ちょっと、自分がおかしくなってしまったみたいだ。

これって、浮かれすぎなんじゃないだろうか。恋に恋している状態だったり? それとも、本当に心から好きな人だという証なのかもしれない。

学生の時のように楽しいばかり、自分の気持ちばかりを優先する恋愛じゃなく、落ち着いた恋愛をしたいと思っている。この自分の気持ちはどちらなのだろうか。

「こういうときは……」

サイドテーブルに置いていたスマホを手に取り、自分の気持ちを確かめたくて検索する。いままでは誰かをカテゴライズするため。でも、いまは……。

「あれ、これって……自分の気持ちをなにかにあてはめようとしてる?」

カテゴライズとは言わないものの、誰かの言葉や経験、情報にあてはめようとしていることに気づいた。私の気持ちは、私だけのオリジナルのはずなのに。

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