俺だけのもの~一途な御曹司のほとばしる独占愛
「はじめまして、いきなり遅刻でホントごめんなさい。急に修正が入っちゃって……あ、仕事は建設会社で設計してます。主に照明担当です。あと二十九歳、独身、彼女大募集中です」
誰からも催促されていないのに、自然と自己紹介をはじめる。幹事の人にも「はじめまして」と言いつつ、すでに友達かのようにたわいもない会話をはじめた。
昼間ぶつかったときはただの女慣れした人かと思ったけれど、こうして見ているとコミュニケーション能力が高いのだろう、距離の詰め方が絶妙だ。
「やっぱりカッコイイよね! えー、嬉しい! 飲み会で会えるなんて」
愛海は広瀬さんに目が釘付けになっている。その頬はほんのりと赤らんでいて、すでに恋をしているようだった。
「設計で照明ってなんですか? 天井についているようなライトですか?」
愛海の大学時代の友達である女性が部屋のライトを指差して広瀬さんにたずねる。
「そ。何気ないライトも、ちゃんと角度とか明るさとか加減してつけられてるんだよ。ていうか、仕事の話はいいから。みんなのこと教えてよ。俺なんも知らないから」
ニカッと白い歯を見せ、楽しそうに女性たちのプロフィールを順番にたずねていく。さっきと同じことを話しているのに、広瀬さんの反応がいいからみんな楽しそうに自分をアピールしていた。
自信なさそうに一般事務の仕事をしていると話した子には「みんなを支えてるんだね」と励まし、ファッションに自信がある子にはアクセサリーなどのこだわっている部分に気づき、愛海には「女の子らしいね」と仕草を褒めていた。
広瀬さんの登場で一気に場の空気が温かくなっていく。