俺だけのもの~一途な御曹司のほとばしる独占愛


五対三というアンバランスな飲み会は女性陣の低いテンションが続き、それでも一時間経ったころにやっと遅れていた男性がひとり到着した。

「俺の友達の友達で……正直言うと初対面でどんなヤツかわかんないんだけど、無理言ってきてもらったんだ。閂建設で勤めてる、ノリがいいヤツってことは聞いてるよ」

男性が部屋に入って来る前に幹事の人が情報を漏らしてしまう。“閂建設”という言葉に、女性たちはあからさまな態度には出さないものの、「へぇ、すごい」とテンションが少しあがっているのがわかった。

愛海の言っていた狙い目の“スーゼネ男子”は、どうやらいまから来る人らしい。

収入は大事。でも、生理的に受け付けられなかったり、性格に問題あったりすれば将来は見えてこない。一体どんな人が来るのかと想像していると、個室の襖が引かれた。

「こんばんはー。すみません、遅れちゃって。広瀬涼真(りょうま)です」

緩くパーマがかかったブラウンの頭をぺこりと下げ、座敷へあがってくる。服装は仕事帰りだからか白シャツに細身のパンツといういたってシンプルな格好だった。それが余計に彼の魅力を引き立てている。

「あれ、あの人……」

愛海が呆然としながらポツリと呟く。その横顔は夢でも見ているかのようにどこかうっとりとしていた。

「知り合い?」

「本気で言ってる? 昼間、ぶつかった人じゃない! 何度も百音に“大丈夫か”って、たずねてきた男の人!」

興奮気味の肩を叩かれながら、必死に昼間の記憶を呼び起こした。

「え……あの人が?」

広瀬と名乗った男性をマジマジと見つめると、たしかに昼間見たアイドルがそこにいた。

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