俺だけのもの~一途な御曹司のほとばしる独占愛


「それはいいけど……いつの間にそんな話してたの?」

「広瀬さんと百音がタクシーで帰ったとき。上崎さん、ちょっと百音に気があったのかも。すごく残念そうにしてたから、話しかけたら百音のこといろいろ聞かれちゃって」

自分が気になっていた人に、同じように興味を持たれていた。こんな都合のいいことってあるのだろうか。

「もしかしたら、連絡先教えて欲しいって昨日の幹事を通して言ってくるかも。そのときは教えてもいい?」

「う、うん。大丈夫」

嬉しさとなにかがはじまるかもしれないという高揚感から、返事の声がうわずってしまう。

「上崎さん、いい人だと思うよ~。オススメ。私と話しているときも腰が低いし、真面目なのが伝わってきてたから」

「そ、そうなんだ。全然話できなかったから……ちょっと会えたら嬉しいかな」

「お! 上崎さんのこと、気になってた? たしかに百音のタイプだもんね」

「うん、まぁ……タイプ、かな」

見た目と物腰は。もっとよく話をしてみないとわからないけれど。

お弁当を食べ終えたころには、広瀬さんのことは頭からすっかり消え、上崎さんのことでいっぱいになっていた。

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