俺だけのもの~一途な御曹司のほとばしる独占愛
どこへ行くのか、やはり家へ送られるのか。なにも訊けずにいると、車はぐんぐんスピードをあげて、近くのシティホテルへと入って行った。
「スイートルーム空いてますか?」
「えっ、ちょ……」
スイートルーム? すっごく高いんじゃないの!?
止めたくても口出しするヒマもなく、涼真はチェックインを済ませてしまう。
「じゃ、いこうか」
「あ、う、うん」
いいのかな。でも、もう手続しちゃったし。うなずくしかできなくて、エレベーターで最上階まで向かった。
真っ白な扉を開けると部屋は、壁一面がガラス張りで煌びやかな夜景が一望でき、広々としたベッドルームにはふたり並んでも余るほど大きなベッドが置かれ、ラグジュアリーな間接照明が灯されていた。
「りょ、涼真……その、いまさらなんだけど、こんないい部屋……」
夢のような空間に気後れして、入り口から一歩も足が進まない。
「百音と過ごすためなんだから、いいでしょ。これくらい」
涼真はなんてことないとばかりに、嬉しそうにベッドに腰掛けると私を手招いた。
「おいで」
「でもっ……」
「いい部屋って言っても、シティホテルのスイートだから百音が想像してるほどの値段じゃないよ。ていうか、もうチェックインしたんだから」
手招きされてやっとベッドルームまで来たもののやっぱり立ち尽くしていると、痺れを切らした涼真に手を取って抱き寄せられる。
「きゃっ……」
涼真を下に、ベッドへ倒れ込むとギュッと抱き締められた。