俺だけのもの~一途な御曹司のほとばしる独占愛


幸せな休日はあっという間に過ぎてしまい、いつもの日常へと戻ってしまう。午前中の仕事を終えると、今日は愛海が電話当番だったので一緒に会社のデスクでご飯を食べることにした。

「で、どうだったの? 広瀬さんとのデート」

私に彼氏ができたことが嬉しいのか、ウキウキしながらたずねてくる。自分のことのように喜んでくれる人がいるのは嬉しいことだった。

事務所には私たち以外に人がいないとはいえ、いつ誰が帰ってくるかわからない。声は自然と小さくなり、ふたりで顔を寄せ合って話していた。

「それが、はじめてサッカー観戦に行ったんだけど思ったより楽しくて。夜は隠れ家みたいな和食屋さんに行って、そこが料理もお酒も美味しかったから、今度愛海にも教えるね」

「へぇ……仲良くやってるんだ」

楽しそうにたずねられたから、でかけた内容を話せばもっと喜んでくれるのかと思っていたけれど、愛海は急に興味を失ったようにイスの背もたれに体を預ける。

「あ……ごめん。他人の惚気話なんて楽しくないよね」

調子に乗って話しすぎてしまった。しかも、愛海は元々涼真のことを気に入っていたのに。反省し、わけもなくお弁当のブロッコリーを突いて頬張った。

「あ、ううん。楽しそうでよかったなって。あー、私も早く彼氏欲しいな」

「愛海ならすぐにできるって。選び過ぎなんだよ」

そういえば、デートの待ち合わせ場所に上崎さんがいたんだった。このことを、愛海に話したほうがいいだろうか。


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