笑顔でいいの?
そう言われて初めて、自分が泣いていることに気がづいた。

「でもさっき、咲がベビー用品を手に取った時
離れていても、双子って繋がってるんだなって感じて。
咲なら…………
咲々さんの苦しみに向き合ってあげれるんじゃないのかって思ったんだ。
それに…
咲自身家族を避けては前に進めないんじゃないのかと。
俺も………避けて逃げてたから分かるんだ。
どんなに避けても
心の奥には常に、小さなシコリのようにあり続けるって。
だから、向き合わないと咲がずっと辛いままだって。
直ぐにとは言わない。
考えてみないか?
もちろん、俺と圭哉がずっと側にいる。
咲が不安にならないように、守ってやるから。」

笹兄のいうことは、もっともだった。

私の心には、ずっと『家族』という大きなシコリがある。

向き合わないといけないって分かってるけど………………恐い。

でも、咲々は……ずっと死の恐怖と戦っていた。

私の恐怖とは………比べ物にならない恐さ。

おまけに今度は、自分の大切な子供という存在を失う恐さ。

幼稚園に勤めて、子供の可愛いさを実感した。

でも、自分のお腹に宿した命はそれ以上のはず。

それを取り上げられるかもしれないって…………。

双子に生まれた意味を感じたことはなかった。

むしろ、どうして双子にしたのかと

神様を恨んだことさえある。

でも今初めて、双子で良かったと思った。

咲々を助けてあげられるかもしれないんだから。

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