私の赤点恋愛~スパダリ部長は恋愛ベタでした~
その言葉に拒否権はなかった。
だから、黙って頷く。

「……でも。
無理なときは無理だって言ってください」

「わかった」

伸びてきた左手が私のあたまを撫でる。
なぜかそれが、嫌じゃなかった。

家に帰り、部屋着に着替える。
ペアの部屋着はまだ、恥ずかしい。

「俺が作るから、チーはテレビでも見てろ」

「えっ」

私が作るって言いかけてやめた。
きっとまた、俺がしたいからって断られちゃうから。
その代わり。

「一緒に作ったらダメですか」

「あー……いい」

にへら、と眼鏡の奥の目が嬉しそうに笑う。
うん、これが正解なのだ。
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