私の赤点恋愛~スパダリ部長は恋愛ベタでした~
いいのか?
忙しい佑司がそれで少しくらい助けになるというのなら、……まあいいか。

それからも伝言係を続けた、ある日の会議。

「京屋部長!」

会議のさなか、ひとりの男が立ち上がった。
彼は確か、仕入部の……庄司(しょうじ)さん。
隣で上役の品川さんが座れとシャツを引っ張っているが、彼は毅然として立っていた。

「何度も言っているとおり『瀬戸(せと)レモン』さんだとこの量の生産は追いつかないんですよ!
瀬戸さんもこれだけにかかりっきりになるわけにはいかないんですし。
ご再考をお願いします!」

勢いよく庄司さんがあたまを下げ、会議室の中は物音ひとつしなくなった。

「……だから。
どうしても瀬戸レモンさんのレモンコンポートがいいって何度言ったらわかるんだ?
品質は最高級、話題性もある。
多少高くても他で調整するからなんとしてでもお願いしろって言ってるだろ」
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