私の赤点恋愛~スパダリ部長は恋愛ベタでした~
「駿も忘れてないんだね」

私はポテトフライと唐揚げさえあれば、ほかになにもいらない。
いつも無心で食べている私に駿は笑っていた。

「とりあえず、お疲れ」

「お疲れ」

カツンとグラスをあわせて口に運ぶ。
ごくごくと一気に半分まで、駿はジョッキを空けた。

「やっぱり仕事のあとのビールはさいこ」

「駿?」

急に言葉が途切れ、不審に思って彼の顔を見上げる。
目のあった彼はなんでもないように笑った。

「見間違いがえかと思ったけど。
チー、結婚したんだ」

「あ、これ?」

左手を持ち上げ、薬指に嵌まる指環を見る。
これを外すなんて料理のときとお風呂のときしか許してくれない。
< 184 / 312 >

この作品をシェア

pagetop