私の赤点恋愛~スパダリ部長は恋愛ベタでした~
もそもそと出てきたポテトを口に詰め込む。
また間違ったことを言って、駿を傷つけるわけにはいかないのだ。

「そういえばあやまりたいことって、なに?
あやまってほしいことならわかるけど」

「あー……。
チーから借りたCD、引っ越しのときに出てきたんだけど、捨てた」

曖昧に笑い、駿はねぎま串に噛みついた。

「えーっ!……って。
なんのCDかも思い出せないし、別にいいよ。
てか、そんなこと?」

「そう、そんなこと」

目尻を下げて駿が笑う。
付き合っていた当時の、私が大好きな笑顔。
なんだかそれが、懐かしい。

「もう、なんだろうってすっごいドキドキしたのに」

「悪かったな」

駿は楽しそうに笑っていて、まだ気楽な関係だったあの頃に戻ったみたいだった。
< 186 / 312 >

この作品をシェア

pagetop