私の赤点恋愛~スパダリ部長は恋愛ベタでした~
左手が伸びてきてわしゃわしゃと私のあたまを撫で回す。
こんなに頑張っている佑司を、神様が認めてくれないわけがない。
だからきっと、大丈夫。

「あー、もー、今日こそチーと愛し合えると思ったのに、また竹村サンのせいで延期かよー」

運転しながら佑司はぶつぶつ悪態をついている。

「でも明日、明日夜までに片付いたり……しないですよね」

「……片付けたいよな」

がっくりと佑司のあたまが落ちた。


翌日早朝、メーカーの担当さんから連絡が入ったものの、在庫は希望数にほど遠いものだった。

そもそもあの容器は特殊なものであまり作っていないので、今回のような大量注文は特注に近いのだと言っていた。
足りない代わりに提案されたのが、同じ容器を卸している先から融通してもらえないか交渉してはどうかというものだった。

チームの全員に連絡し、出てこられる人間には出社してもらう。

「これ、全部電話するんですか……」
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