私の赤点恋愛~スパダリ部長は恋愛ベタでした~
正確には一護の仏壇ではなく隣の家の仏壇だ。
人間と動物と一緒の仏壇に入れていいのか非常に気になるところだが、おじさん曰く家族なんだからいいらしい。
家族が納得しているのなら、本来ならダメだったとしてもいいことにする。

「一護、久しぶり」

隣の犬ながら、一護は私によく懐いていた。
ときどき、散歩に行かせてもらったりしていたし。
おじさんもおばさんも、うちの両親だってまるで彼氏だって言っていたし、私もそうだと思っていた。

「一護さ、あんたもしかして、佑司の中に入ったりしとらん?」

我ながら、ばかばかしい問いだと思う。
でも何度も何度も、佑司と一護が重なって見えたのだ。

「佑司の中におるんやったら、どうしたらいいか教えてよ……」

遺影の一護はなにも答えてくれない。
ただ、なにも考えていない、幸せそうな顔で笑っている。
そうだよ、一護はお莫迦で、怒られてもおやつをもらった瞬間、忘れるような奴だった。
あとヤキモチ妬きで私がほかの犬と仲良くしているとすぐに上に乗っかってきた。

まるで佑司と一緒。
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