私の赤点恋愛~スパダリ部長は恋愛ベタでした~
「あのですね……。
こういう、ロングスカートは丈が合わないんですよ」

渡された中から、水色のロングプリーツスカートを身体に合わせる。
地面につかないようにするにはハイウエストどころか胸まで上げなければならず、佑司の顔から失望の色が隠せない。

「あとこういう、襟がフリルのガーリーブラウスは私には似合わないです。
ほら」

「うっ」

ブラウスを身体に当ててみせたら、佑司が声を詰まらせた。

「フレアスカートは可愛いですが、ピンクって似合わないんですよね……」

同じく身体に当ててみる。
佑司はもう、なにも言わなくなった。

「あ、でも、この黒ニットは着回しがきくのでいいと思います」

「……うん」

佑司の目にはうっすらと涙がにじんでいる。
よっぽど私に、少女まんがに出てくるような可愛い格好をさせたかったようだ。
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