私の赤点恋愛~スパダリ部長は恋愛ベタでした~
「どれがいいかなー」

さりげなく左手を取られ、反射的に引っ込める。
冷たい視線を送ったら、びくっと一瞬、佑司の肩が跳ねた。

「ええっと……」

今度は右手が取られ、指環が嵌められる。

「んー、いい感じ?
こっちは?」

並べられた指環を全部、彼はとっかえひっかえ私の指に嵌めた。
最終、ホワイトゴールドのシンプルなストレートで、女性用にだけ中央に五つほどダイヤが並べられたものをもう一度嵌めた。

「これにしよう、これに」

「はぁ……」

どうでもいいが、ついている値札が私の一ヶ月分の食費よりも高い。
さっきは大量に服を買い、さらにこんなもをぽんと買う佑司は……まあ、スパダリ様なんだから当たり前なんだろうか。

「その、……こんなに高いもの、ほんとにいいんですか……?」
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