明日からの使者
「でも、山内先輩に覚えてもらってて良かったじゃない、夢芽。夢芽いつも『私はただのバレー部の一員にしか見られてない』とか言ってたのに。」
私の桑田への怒りがピーク寸前になったことに気付いたらしい千佳ちゃんは、とにかく話題を変えようとしてくれた。
そんな千佳ちゃんの様子に気付き、申し訳ないと思った。
「…うん♪急に話し掛けられて、びっくりしたよ。まさか、覚えてくれてたなんて…」
私が千佳ちゃんの言葉に乗ろうとした時。
「先輩、『うろ覚え』って言ってたぞ?武内には都合のいいことしか聞こえないんだな。」
すかさず放たれた、桑田の一言。
ムカ~ぁっ!!
ちゃっかり突っ込むんじゃないっ!!