闇に溺れた天使にキスを。



「……優しくしたつもりはねぇけど?」
「じゃあ根から優しい人なんだね」

「お前の勘違いじゃねぇの?いつもすぐ拗ねるくせに」

「涼雅くんは意地悪だけど優しいの」


それは涼雅くんだけでなく、神田くんも。

神田くんの場合は優しいけれど、意外と意地悪という涼雅くんとは逆のパターンかもしれない。



───って、また無意識のうちに神田くんのことを考えている自分がいた。


バカみたいだ。

今もまだ、吹っ切ることだなんてできなくて。


こんなにも神田くんが好きなんだ。
好きになっていたんだ。


「今日ぐらい余計なこと考えなくていいんじゃねぇのか?」

「……え」


まるで私の考えていることを見透かすかのようにして、口を開いた涼雅くん。


「もう十分泣いただろ」

顔を上げ、涼雅くんを見上げたけれど。
彼は私のほうを見ずにパンの袋を開ける動作をした。



「だからほら、食べろ。
今日はもう食べて寝る、それだけだ」


そして私の目の前にパンを差し出される。
涼雅くんなりの慰め方なのだろう。

私は彼の言う通り、今日は何も考えないでおこうと思いそのパンを口へと運んだ。


「……ん、美味しい」

「だろ?パンとおにぎりはここのコンビニが一番美味いんだよな」

「そんなに何回も食べてるの?」
「まあ、食べる時間がねぇときはコンビニで済ませるかな」


涼雅くんも私と同じようにパンを食べ始める。


「……ふは」
「へ…」


すると突然涼雅くんが笑い出した。

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