闇に溺れた天使にキスを。



「白野さんも、そういうこと考えちゃうんだね」
「ち、違っ……」


恥ずかしい。
穴があったら入りたいほどに。


「顔、真っ赤だ。
かわいい」

「……っ」


そうだ。

神田くんは人の照れ顔を見たいという、少しズレた趣味を持っているのだ。


「か、神田くん」
「どうしたの?」

「恥ずかしいよ……」


逃げ場がない。
とにかく今、この状況がたまらなく恥ずかしいくて。


訴えるように彼を見つめる。
恥ずかしさのあまり、涙目で少し視界がぼやけながら。


「それ、わざとやってる?」
「へ…」

わざとって、何をだろう。

それがわからなくて呆然としていたら、先を行く彼が私のそばまで戻ってきた。


「ごめんね、白野さん。
少し意地悪しすぎたね」


彼はそう言って、自分の元へと私を抱き寄せた。
あっという間に腕の中に収まる私の体。

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