天然たらしが本気を出す時。

そして大笑いし終わった七瀬くんは、今度は真剣な表情で子供に言い聞かせるように


「でも 知らない人にはついて行ったらだめだよ。わかった?」



そう言った。


あ、これきっとコウくんにいつも言ってるやつだァ…。

私、5歳に見られてるぅ…。

そうか、私がしたことって幼稚園児でもしないことなのか…。恥ずかしいそ恥ずかしいぞ私。。






「はい…気をつけます」

「ん、よろしい」






そして七瀬くんは「そうだ」と呟いた。

なにかと思って七瀬くんを見ると、得意げに口角をあげ悪戯げに微笑んだ。

な、なにその顔…。怪しい。






「……もうこんなことが起きないように耐性つけようか」


「耐性?」


「可愛いへの耐性」


「ん?それはどういう?まあ私その言葉には慣れてないのは事実だけど…」


「俺は毎日橘さんのこと可愛いって思ってたから、言われ慣れてると思ってたんだよね」


「………」


「けど違ったから、これからは毎日言うことにするよ」



私の髪を妖美にサラリと撫で じっと見つめてくる七瀬くんに一瞬くらりとした。





「橘さんは可愛いよ」


「………」


「顔も性格も行動も全部可愛い」


「………」


「すごい可愛い」







「お願いだからやめて…っ!!!」



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