インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
合コンって……出会いを求める男女が頭数を合わせて食事してお酒飲んで会話して、いい感じになったら二人で抜け出したりとか、いかにもリア充な若者がする、あれだよね?

一緒にゲームをするなら話は別だけど、非ヲタでしかも初対面の男の人となんて何をしゃべったらいいかもわからないし、他の女の子とも話を合わせられる自信がない。

私がリア充のみなさんの中に入ったって絶対に浮きまくるだろう。

合コンなんて一度も経験がないし漫画でしか見たことないけど、今時の若者が喜ぶような気の利いた会話もできない私にはとても無理だ。

「いやー……私、そういうのはちょっと……」

「お願いします、予定があるとか彼氏がいるってみんなに断られて、頼める人はもう夏目先輩しかいないんですよ!参加費は私が払いますから!」

よほど気合いの入るような男性陣が来るのか、谷口さんはなんとか私を逃すまいと必死の形相で、何度も頭を下げて大げさに手をあわせる。

神様や仏様でもないのに、そんなに拝み倒されても困るんだけどな。

どうしたものかと考えていると、みっちゃんが私の耳元に顔を寄せた。

「行ってみたら?モモは男の人と話すのあまり得意じゃないんだから、練習だと思ってさ。それに出会いなんてどこにあるかわからないじゃない?」

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