インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
あれ……?なんで?

特訓の成果はどこ行った?!

尚史にはあれだけくっつかれてもまったく気持ち悪くならなかったのに、この不快感はなんなの?!

八坂さんは尚史みたいに昔から知っている相手じゃないから?

慣れてきたら薄れるものなのか、それともずっと続くものなのか、今の段階では確かめようもない。

次に会ったらわかるのかなと思いながら改札を通り抜け、胸のざらつきをどうにかしておさめようと、普段は買わないペットボトル入りのサイダーを自販機で買って勢いよく口に含んだ。

一気に流し込んだサイダーの炭酸の泡が容赦なく喉の粘膜を攻撃して、炭酸の刺激に弱い私は思いきりむせてしまう。

ホームへと続く階段に向かう人たちにジロジロ見られ、あまりの恥ずかしさで自販機の影に身を隠した。

……何やってんだ、私。

飲めもしない強炭酸のサイダーなんかがぶ飲みしたらこうなることは、最初からわかっているのに。

勢いで買ってしまった苦手なサイダーをどうしようかと手元を見つめながら考えていると、頭上から私をすっぽりと覆うように大きな影が伸びてきた。

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