インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
運ばれてきたイチゴのショートケーキを一口食べてから、コーヒーにたっぷりとミルクを入れる。

窓の外を眺めながらコーヒーを飲もうとしたとき、楽しそうに笑って話しながら歩いている尚史と谷口さんの姿を目にした。

……そうか……あの二人、やっぱり付き合い始めたんだ。

女の子とあんなに楽しそうに笑って話している尚史は初めて見た。

付き合うのもめんどくさいなんて言っていたけど、谷口さんと付き合うのはめんどくさくなくて楽しいってことなんだな。

私も八坂さんと付き合うつもりだし、尚史にも彼女ができたから、佐和ちゃんが言っていたように、これまでみたいに一緒にはいられなくなるんだろう。

そう思うとなぜか胸の奥がモヤモヤして、それからズキズキして、無性に寂しい気分になった。

先を超されて悔しいのか、尚史に幼馴染みの私より大事な人ができたことが寂しいのか、自分でもよくわからない。

だけどひとつだけわかったのは、男女の間にはずっと変わらずにいられる関係なんてないと言うことだ。


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