インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
「モモちゃん、そんなに急いで飲んで大丈夫?」

「大丈夫……です……」

「とても大丈夫には見えないな。顔が真っ赤だよ」

ああ、やっちまったな。

あんまり飲みすぎるなよって言われていたのに、これじゃ何されても言い訳できない。

いや、どうせ逃げ場なんてないんだから、逆に酔っていたことを言い訳にした方がいいのか。

ん……?

さっきから『言い訳』って、私は誰になんの言い訳をするつもりなんだ?

「酔って真っ赤になってるモモちゃんも可愛いね」

八坂さんの手が私の頬をスルリと撫でた。

その瞬間、全身に言い様のないほどの悪寒が走り鳥肌が立つ。

えっ、なんでこんなに気持ち悪いの?!

作戦最後の仕上げにキスまでしたのに、全然仕上がってないじゃん!

しかも水曜日の別れ際に肩を抱かれたときよりも、明らかに不快感が増しているじゃないか!

尚史とはキスしても気持ち悪くなかったのに、どうして八坂さんにはちょっと頬を触られただけでこんなに拒絶反応が起こるんだ?

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