インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
「モモ可愛い……!それ、もしかしてヤキモチ?」

「……違うもん、ヤキモチじゃないもん!」

「えーっ、俺にはそうとしか思えないし、めっちゃ嬉しいんだけど?」

「バカ!もう知らない!」

真っ赤になっているであろう頬を隠そうと両手で顔を覆うと、尚史は私の手をつかんで強引に引き剥がす。

「だったら教えてよ、モモ」

「……何を?」

「どうすればモモが俺を好きになってくれるのか、教えて。俺、頑張るから」

尚史はやっぱり、何もわかっていない。

私を喜ばせようとか、私に好かれようとか、頑張る必要なんてひとつもないのに。

「努力なんかしなくていいよ、無駄だから」

私がそう言うと、尚史は顔をしかめる。 

「……それは何したってモモは俺のこと絶対好きにならないから、頑張っても無駄ってことか?」

「そうじゃなくて……尚史はそのままでいいって意味。だから無理して頑張らなくていいの」

「だけどそれじゃいつまで経っても、モモに好きって言ってもらえないじゃん。俺はモモに好きって言われたいし、俺と結婚して良かったと思って欲しい」

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