インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
「うん、昨日ね。結婚式のときには指輪の交換もするし、もう入籍したんだから早く用意しようって尚史が。光子おばあちゃんのお見舞いと衣装の下見が済んでから買いに行ったの」
「これが結婚指輪なの?」
「婚約指輪と結婚指輪がセットになってる指輪なんだ。これが婚約指輪で、結婚指輪と重ねてつけるんだって。急に結婚して婚約指輪もなかったからって、尚史が選んでくれた。結婚指輪も手元にはあるんだけど、二人で相談して、指につけるのは式の指輪交換のときにしようかってことになったの」
「へえ、重ねづけか……。最近の結婚指輪はオシャレなのねぇ」
自分のイメージする結婚指輪とは違うからか、母は物珍しそうに私の指輪を眺めている。
「レシートくれたら指輪のお金も払うわよ?」
母が尚史の方を向いてそう言うと、尚史は首を横に振った。
「いや、指輪は俺が」
「尚史くんには急に無理言ってモモと結婚してもらったんだから、遠慮しなくていいのに」
「遠慮とかじゃなくてホントにいいんだ。もしあのとき久美子さんに言われてなくても、絶対に俺がモモと結婚するんだって思ってたし、せめて指輪くらいは自分でモモに買ってあげたかったから」
「これが結婚指輪なの?」
「婚約指輪と結婚指輪がセットになってる指輪なんだ。これが婚約指輪で、結婚指輪と重ねてつけるんだって。急に結婚して婚約指輪もなかったからって、尚史が選んでくれた。結婚指輪も手元にはあるんだけど、二人で相談して、指につけるのは式の指輪交換のときにしようかってことになったの」
「へえ、重ねづけか……。最近の結婚指輪はオシャレなのねぇ」
自分のイメージする結婚指輪とは違うからか、母は物珍しそうに私の指輪を眺めている。
「レシートくれたら指輪のお金も払うわよ?」
母が尚史の方を向いてそう言うと、尚史は首を横に振った。
「いや、指輪は俺が」
「尚史くんには急に無理言ってモモと結婚してもらったんだから、遠慮しなくていいのに」
「遠慮とかじゃなくてホントにいいんだ。もしあのとき久美子さんに言われてなくても、絶対に俺がモモと結婚するんだって思ってたし、せめて指輪くらいは自分でモモに買ってあげたかったから」