インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
両親も『二人とも初めて作ったにしては上出来だ』と誉めてくれた。

「思ってたよりうまくできた。やってみればなんとかできるものなんだな」

「隣で教えてもらったからできたんだよ。レシピ見ただけじゃ、一人では難しいと思う」

私がそう言うと、母は私の背中を軽く叩いた。

「何言ってるの、料理くらいいくらでも教えてあげるわよ。なんでも最初はできなくて当たり前だからね」

そうか、私は料理ができないんじゃなくて、やらなかったからできなかったんだ。

せっかく実家の近くに住むことになったんだから、母にしっかり教わって、これからたくさんレパートリーを増やしていこう。

「じゃあ二人で教えてもらって一緒に作ろうか」

「いいね、そうしよう」

前に『家事なんかできる方がやればいい』と言っていた通り、尚史は一緒に家事をやってくれるつもりのようだ。

いきなり一人で全部やれと言われたら、何から手を付ければいいのかと途方にくれそうになるけれど、二人一緒なら慣れない家事も頑張れそうな気がした。


夕飯を食べ終わって尚史と一緒に食器の後片付けを済ませたあと、私の部屋で明日からの計画を立てることにした。

新居が決まったお祝いにビールで乾杯してひと息つく。

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