インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
もしかして尚史はこれまでも、私の知らないところでこんなバカなことを言っていたんだろうか?

「尚史、バカ丸出し発言は控えて」

「どこがバカなんだ?モモが可愛いのはホントのことだろ?」

「だから、そういうのをやめてって言ってるの!」

私は恥ずかしくてしょうがないのに、尚史はちっとも恥ずかしくないらしい。

いくら新婚でも人前でこんな恥ずかしいことを言うなんて、尚史は本物のバカなんじゃなかろうか?

「そうだ……。病院のロビーにあるエレクトーン使っていいって言われたんだけど、エレクトーン弾ける人、誰か知らないか?」

尚史が真面目な顔をして尋ねると、谷口さんが私の隣で身を乗り出して、大きく手を挙げた。

「はい、私エレクトーン弾けます!」

「えっ?谷口さん、エレクトーン弾けるの?」

「3歳から高3のはじめまで習ってたんです。受験勉強に専念するためにやめちゃったんですけど、今は趣味でたまに弾いてます。コンクールで賞をもらったこともありますよ」

体育会系だと思っていた谷口さんが、コンクールで受賞するほどのエレクトーンの腕前の持ち主だとは!

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