インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
八坂さんは大沢さんの父親の薦めで大沢さんとお見合いをして、気の強い大沢さんはまったく好みのタイプではないし、遊ぶ女の子には不自由していないけれど出世したいから大沢さんと結婚することにしたとか、『アンバー』でよく見掛ける私が好みのタイプだとか、男性経験のあまり無さそうな私を自分好みに調教したいなどとも言っていたらしい。

八坂さんは日頃からとても女癖が悪く、大沢さんと同居を始める前から借りていたあのマンションに、頻繁に女の子を連れ込んでは情事に及んでいたと言う。

そして偶然を装った合コンで私に声を掛け、いい人ぶって近付いて、大沢さんと結婚したあとも私を愛人にするつもりでいるとも言っていたそうだ。

恋愛経験が乏しいとは言え、八坂さんがうわべだけの『いい人』だったこともまったく見抜けず、手っ取り早く結婚するために付き合おうと思っていた自分がいまさらながら情けない。

そして私が八坂さんとの結婚を目論んで尚史との仮想カップル作戦を遂行しているとき、尚史は駅のそばで派手な女の人と腕を組んで歩いている八坂さんを偶然見掛け、私が八坂さんに遊ばれているのではないかと怪しんでいたらしい。

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