インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
「高校時代に『死ぬほど好きだ』って言ってた女の子が相手だって聞いて、納得はしたけどね」

納得 『は』 した?

そこは普通に、『納得した』で良くない?

「まさか本当に、ずっと片想いしてた幼馴染みと結婚しちゃうなんて、ヒサって気が長いのね。そこまでいくと怖いくらい」

水野さんはさっきからなんだか妙に引っ掛かる言い方をする。

この人酔ってんのかな?

それともシラフで私にケンカ売ってる?

もしかしてそれが目的でここに来たってわけじゃないよね?

少々苛立ちはするけれど、ここで私が『ケンカ売ってんのかゴルァ!』などとキレてしまったら最悪だ。

気にしない、気にしない。

私は自分にそう言い聞かせながら、ひきつった作り笑いを浮かべてビールを飲んだ。

リナっちはさっきから歯を食い縛り、膝の上で拳を握りしめ、肩を小刻みに震わせている。

これはヤバイ。

どうやらリナっちの忍耐が限界に近付いているようだ。

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