インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
私はなんとかなだめようと、リナっちの背中をポンポンと軽く叩いた。

「リナっち、無理しないであっちの席に移っていいよ」

「いえ、大丈夫です。なんとかこらえますから」

リナっちはグラスのビールを一気に飲み干し、手酌でグラスに注いだビールをまた一気に飲み干した。

「そんな飲み方したら危ないって!ぶっ倒れちゃうよ!」

「すみません、ムカついてつい……。気を付けます」

「リナっちはオレンジジュースでも飲んで、ちょっと落ち着いて」

「そうします」

テーブルの端にあるオレンジジュースを取るために手を伸ばそうとすると、それより早く尚史がオレンジジュースの瓶を取って私に差し出した。

「あ……ありがとう」

「うん……」

尚史は返事だけはしたものの、私と目を合わせようとしなかった。

よほど私には知られたくないことがあって、水野さんはそれを知っているんじゃないかと感じた。

何があったのかはわからないけれど、尚史が触れてほしくないことなら私は触れない方がいいだろう。

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