インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
そして常連客のみんなもさっきから、こちらの様子がおかしいことに気付いているようだ。

気を遣っているのか、それとも無駄に口をはさまないでおくべきだと思っているのか、みんなが意識を無理やりゲームの方に向けているように感じる。

「ねぇヒサ、長年片想いしてきた彼女をどうやって口説き落としたの?」

水野さんは尚史の顔を覗き込むようにして尋ねた。

普通本人の目の前でそんなこと聞く?

それにいくらなんでも、顔近付け過ぎじゃないか?

これにはさすがにムカついた。

尚史は少し体をのけぞらせて顔をそむけた。

「……言いたくない。水野には関係ないから」

「ふーん?関係ないか……冷たいなぁ。じゃあモモさんに聞いてみようか」

「えっ、私?」

突然名前を出され話を振られたことに驚いて、声が裏返ってしまった。

一体何が目的でそんなことを聞くのか。

どう考えたって、私たちのおのろけトークを聞きたいわけじゃないだろうに。

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