インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
漫画のヒーローのように現れた尚史の救出劇を見ていたキヨは、大盛りのチャーハンを手になぜかニヤニヤしている。
「お疲れ、尚史。俺の出る幕なかったなぁ」
「ん?あー……マスターなら客が粗相しないようにちゃんと見とけよ」
「悪かったって。モモっち、怖い思いさせてごめんな」
口ではそう言いつつも、キヨは相変わらずニヤニヤしている。
常にやる気のなさげな尚史の意外な一面が見られて面白かったのか、本当に悪かったなんて思ってはいないのだろう。
尚史は平然としてチャーハンを食べ始めた。
相当お腹が空いていたのか、その食べっぷりはまるで食べ盛りのわんぱく少年のようだ。
「それにしても驚いたなぁ……」
チャーハンをがっつく尚史を眺めながらキヨが楽しそうに呟いた。
女子力0のヲタクの私がナンパされたことがそんなに面白かったんだろうか。
「驚いたって何に?」
「いや……男が大の苦手のモモっちが、尚史には触られても平気なんだなぁってさぁ」
確かに尚史に抱き寄せられても、鳥肌が立ったり吐き気がしたりはしなかった。
だけどそれはさっきのあの人と違って、尚史は昔からよく知っている相手だし、尚史のおかげで窮地を免れたことも関係しているんじゃないかと思う。
「お疲れ、尚史。俺の出る幕なかったなぁ」
「ん?あー……マスターなら客が粗相しないようにちゃんと見とけよ」
「悪かったって。モモっち、怖い思いさせてごめんな」
口ではそう言いつつも、キヨは相変わらずニヤニヤしている。
常にやる気のなさげな尚史の意外な一面が見られて面白かったのか、本当に悪かったなんて思ってはいないのだろう。
尚史は平然としてチャーハンを食べ始めた。
相当お腹が空いていたのか、その食べっぷりはまるで食べ盛りのわんぱく少年のようだ。
「それにしても驚いたなぁ……」
チャーハンをがっつく尚史を眺めながらキヨが楽しそうに呟いた。
女子力0のヲタクの私がナンパされたことがそんなに面白かったんだろうか。
「驚いたって何に?」
「いや……男が大の苦手のモモっちが、尚史には触られても平気なんだなぁってさぁ」
確かに尚史に抱き寄せられても、鳥肌が立ったり吐き気がしたりはしなかった。
だけどそれはさっきのあの人と違って、尚史は昔からよく知っている相手だし、尚史のおかげで窮地を免れたことも関係しているんじゃないかと思う。