インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
「でもさ……私、ずっと気になってたんだけど……尚史は私が八坂さんと付き合うつもりだって言っても止めなかったよね?なんで?」

「あれは負い目と言うか……頭から否定したらモモがムキになるから、しばらく様子を見ようって思ってたのも嘘じゃないけど……俺はモモには言えないようなことしてたわけだし、モモにだって相手を選ぶ権利はあるだろ?」

「まぁ……選べるほどモテたことはないけど、理屈ではそうなるね」

「それでモモが八坂さんを選ぶなら仕方ないし、幼馴染みとして祝福するべきかとも思ったんだけど、やっぱり無理だった。モモを誰にも渡したくないって思ったんだ。仮想カップル始めてモモに触れたら、このまま俺だけのモモでいて欲しい、モモの全部を俺のものにしたいって……そう思った」

それを聞いて、尚史が仮想カップル中に突然私を押し倒したり、なんの予告もなく本当にキスしたのも、なんとなく納得がいった。

尚史は本当は、ずっと私に触れたくてたまらなかったんだ。

水野さんを身代わりにしたことは決して正しいとは言えないけれど、夢の中でも身代わりでもいいから、私と愛し合いたいと思っていたからなんだと思う。

「尚史、もしかしてずっと我慢してた?」

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