インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
私がおかしいって?

どう考えても尚史の方がおかしいと私は思うんだけど。

「なんで?私のどこがおかしいの?」

「一緒にゲームしてるとき、モモの隣に座っててもちゃんとテレビの画面見えてたし、二人で外歩いてても周り見えてただろ?シーサイドガーデンに行ったときだって、他のカップル見て真似してたじゃん」

「たしかに……」

尚史は目が悪いと思っていたはずなのに、尚史が私と同じくらい周りが見えていることを、私はなぜ不思議に思わなかったのか?

言われてみればおかしな話だ。

「まぁ……モモは気付かなくて当然か」

「私は視力いいもん、視力悪いとどれくらい見えるとか見えないとか、わかんないから」

「モモは視力は良くても、俺のことなんか見えてなかったんだからしょうがないよな」

尚史はいじけた顔でため息をつきながら、スポンジを手に取り食器を洗い始めた。

せっかく仲直りしようと思っていたのに、尚史の言葉にカチンと来てしまう。

「そんな言い方しなくてもいいじゃん」

「ホントのことだし。俺、モモに嫌われてるし」

「だったらもういい、尚史なんか知らない。お風呂入って寝る」

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