インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
眼鏡に続き、尚史がコンタクトレンズを使用していることも私には初耳だった。

道理で眼鏡を作れと勧めても「見えてるからいらない」と頑なに拒否したわけだ。

「私、知らなかったんだけど」

「言ってないから」

「なんで?」

「モモは俺がよく見えないと思ってるから、なんか見せるときめっちゃ近付くだろ?モモの顔をすぐ近くで見ても怪しまれないと思って言わなかった」

なんだそれ?

たしかに私は尚史に何かを見せるときには、ちゃんと見えるように近付けて見せてあげたりしていた。

そういうときに尚史は、私が見せたものではなくて私の顔を見ていたのか?

「は……?そんな理由?」

「うるさいな!俺は少しでもモモに近付きたかったし、モモの顔を間近で見たかったの!悪いか!」

飽きるほど見慣れた私の顔なんて、間近で見たって楽しいものでもなかろうに。

だけどやっぱり尚史のそういうところが可愛くて、思わず笑ってしまう。

「ふふ……ハハハ………悪くないけどさ……そんな理由で……ふはは……」

「そんなに笑うなよ……。俺は気付かないモモの方がおかしいと思うんだけど」

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