インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
私が正直な気持ちを伝えると、尚史は大きく目を見開いて息を飲み、右手で口元を覆った。

「……もしかして、煽ってんの?」

「煽る……?」

「いや、無自覚って……!」

何かおかしなことを言ったかな?

自分の言った言葉を頭の中で反芻すると、激しく恥ずかしさが込み上げてきた。

私は正直に今の気持ちを口にしただけなのだけれど、よく考えてみれば、ものすごく恥ずかしい言葉を口走ったのでは?

だけどあれが私の本心だし、尚史のことが好きだからそう思うわけで、ごく自然なことなんじゃないだろうか。

「そんなこと言われたら、俺たぶん途中でやめてあげられないよ?それでもいい?」

「……うん……。でも、あの……初めてだから、ちょっと怖いって言うか……」

「できるだけモモが怖くないように、これでもかってくらい優しくする」

「お願いします……」

抱きしめ合って、何度も何度もキスをした。

互いの服を脱がせ合い、名前を呼んで「好きだよ」と囁いて、あらわになった素肌に手と唇で触れて舌を這わせる。

尚史が自分の体とは異なる私の体の膨らみや柔らかい部分を、指先や舌で優しく撫でるたびに、私の身体中に熱くしびれるような感覚が走り、堪えきれず小さな声がもれた。

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